全部、私からだった。 ~AfterStory~


 りっくんが自らの体重も掛けて怒涛のラストスパートに入った。

 絶頂間近で朦朧とする意識の中、私の口から漏れ出る悦びの声がぼんやり遠くに聞こえる。

 まるで自分のものではないかのようなそれは――


 喘ぎ声ではなく、正に悲鳴だった。




 いつまでもベッドから出ようとしない私に、「腹減った」と食事の催促をするりっくんが憎らしくて仕方ない。


「疲れてるって言ったのに」

 壁向きに寝転がったまま、不満を口にすれば、

「半減したろ?」

 と返ってきたので、カッと頭に血液が流れ込んで来て、寝たままの体勢で勢いよく振り返った。
 けれど、りっくんの子どものような無邪気な笑顔がそこにあって。

 しゅうんと一気に怒りは萎んでしまった。


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