全部、私からだった。 ~AfterStory~
敵わない、りっくんには。
心底惚れているから、敵う訳がないのだ。
そこのところ、いい加減自覚しろよ自分、と思う。
「来るってわかってたら、買い物行ったのに。
今うちの冷蔵庫、空っぽだよ?」
スーパーマーケットに寄る気力など1ミクロも残っていなかったくせに、良くもそんな言い訳を抜け抜けと言えたもんだ。
けれど、疑うことを知らないピュアな単細胞生物りっくんは、
「今から一緒に行くか?」
と、ありがた迷惑な提案をする。
こんなんで良く殺人課の刑事が務まるなぁ。
容疑者が「俺はやってない、信じてくれ」って言ったら、「そうかわかった、俺は信じる」ってなりそうだし。