全部、私からだった。 ~AfterStory~


 途端、赤根くんが表情を強ばらせた。
 微かに全身を震わせているその様は、静かだけれど激しい怒りに燃えているように見えた。

「僕の前で、そいつの名前を出すな。
 不愉快だ」

 唸るように低く呟き、突然に突き飛ばされた。

 一瞬、何が起こったのかわからなかったけれど、私の身体がソファーの上に横倒って落ちたので、乱暴に押し倒されたのだと気付く。


 赤根くんはソファーの傍らに立ち、冷ややかに私を見下ろしていた。


 不意に、彼が視線を私の下半身へと滑らせた。
 つられて私も自分の足に目をやれば、膝丈のスカートが捲れ上がって太ももまで露わになっていた。

 大慌てでスカートを掴んで引き下ろし、無防備に晒されたそれを隠そうとした。


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