勿忘草~私を忘れないで~
『思い出』
そして、機械には繋がれているけど、
愛生はいつか回復すると信じていた。
「また来る」
でも、心のどこかで怖がっていて、ぽそっとしか言えなかった。
また、とか言ったけど、毎日俺らは愛生に会いに行った。
何も変わってないと思っていた。
でもある日、机の上に花瓶が置いてあった。
それは、ローズマリー。
もちろん、この時の俺は何かよくわかっていなかった。
『思い出』・『追憶』
この二つを表すようなものだった。
その次の日。4限で終わって、病室に行った日の事。
「………なる?」
微かに、そう言った。
「愛生!?」
「かな…ちゃ、みか、ちゃ」
そう、確かに言った。
ぱさっ
何かが落ちる音がして、見て見たら、ベットの上に便箋が。
しかも、変に膨らんでいる。
”成留・歌奈ちゃん・実夏ちゃん”
そう、いつもの愛生の字だった。
「ありがと」