意地悪同期にさらわれました!
突然、野田がガバッと顔を上げた。
「!!!」
俺からパッと離れて俺を見上げる。
「な、何だよ」
「そうよ。そんなの、あり得ないわよ」
……涙が止まってる。
俺はホッとして、上げていた腕をようやく下ろした。
「だよなぁ!!
マジで、焦ったわ。
動物に告られた事なんかないから」
「誰が動物よ!
ほんと、ムカつく男ね」
「俺様をモノにするにはまずお前は人間に昇格する事だな」
「結構よ!
モノにしません!!」
「あ、そ。
……元気になったな。戻るぞ」
俺は野田の頭をポンポン叩いてから、そっと肩を抱いて部屋へと連れて行った。
……何故肩を抱いたか…。
………逃げ出さないようにだ。
……それだけだ。