意地悪同期にさらわれました!

店を出て、しばらく無言で歩く。

しっかりと繋がれた手は、
………温かい。

彼の長い指の間に、そっと指を絡め入れて握り直す。

「!!」

ピクリと彼の手が動く。


あんたが…振り払わないから。
『止めろ、ゴリ子!』、と言われれば、止めるわよ?


…どうしよう。私…。

赤崎が……好きだわ。

――どうしよう。



「おい…?」

……は?

顔を上げると立ち止まってかがみ、赤崎が私の顔を覗き込んでいた。


「何で……泣いてる?」

…え…。




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