意地悪同期にさらわれました!

キキィ…ッ――。

その時、タクシーが止まり、ドアがバッと開いた。

「着いたぞ」

すでに降りた赤崎がドアから顔を覗かせて言う。

「あ、うん」

私は慌てて降りて、既に歩き始めている彼の後を追った。

歩く彼の後ろ姿を今日は何度こうして見つめただろう。

その焦げ茶色の長めの綺麗な髪も、
細いけれど幅のある肩も、
細い腰も、長い脚も、

……見飽きたはずなのに…
ずっと、見ていたい。


いつまでもこうして、彼の後ろを歩けたなら――。





< 122 / 212 >

この作品をシェア

pagetop