意地悪同期にさらわれました!
キキィ…ッ――。
その時、タクシーが止まり、ドアがバッと開いた。
「着いたぞ」
すでに降りた赤崎がドアから顔を覗かせて言う。
「あ、うん」
私は慌てて降りて、既に歩き始めている彼の後を追った。
歩く彼の後ろ姿を今日は何度こうして見つめただろう。
その焦げ茶色の長めの綺麗な髪も、
細いけれど幅のある肩も、
細い腰も、長い脚も、
……見飽きたはずなのに…
ずっと、見ていたい。
いつまでもこうして、彼の後ろを歩けたなら――。