意地悪同期にさらわれました!
「わあ…、綺麗。
赤崎ー、ここ、気持ちいいわね。
夜景が近いよ」
俺はベランダで風に髪を揺らす野田の近くへ、ビールを持って近付いた。
「そうだな。
あんまり出ないから気付かなかった」
彼女に缶ビールを手渡す。
彼女とベランダの手すりにもたれて並んで風に吹かれる。
軽く缶をぶつけて乾杯してからグッとビールを喉に流し込んだ。
隣の野田をそっと見る。
無防備に微かな笑顔を浮かべて夜景を眺めている。
……コイツ…こんなに、
……綺麗だったっけ……。
夜景と街灯の微かな光が映す彼女は、とても穏やかで、俺の中にある普段の強気な印象をガラリと塗り替える。