意地悪同期にさらわれました!

「野田」

「…ん?」

ゆっくりとこちらを向いた彼女の瞳に夜景の光が微かに揺れている。

「………」

俺は何も言わずにそっと顔を近付けていった。

…彼女もそっと瞳を閉じた。


何で……今日はコイツを見てるとキスしたくなるんだろ…。

今まで普通にいれたのに。

おかしい。
…俺も…コイツも……。



―「!!!」

もうじき唇が触れる瞬間、うっすらと開いた俺の目に飛び込んできたものを見て俺は目を見開いた。


――……黒木課長!!

真下のマンションの駐車場からこちらを見上げる鋭い眼光。

ゾクリと悪寒が全身を走る。


「野田!!部屋に入るぞ」

「え」

パチリと目を開いた彼女の背中をグイッと押して部屋に入り、鍵を閉めてカーテンを慌てて引く。


ビックリした…、何でヤツがここに…?



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