意地悪同期にさらわれました!


――彼女の唇を、優しくなぞりながら考える。

どうして急に帰るなんて言い出した?

今はまだ、黒木が近くにいるはずだ。
帰す訳にはいかない。


…やっぱり軽蔑したんだな。
俺とこれ以上、一緒にいたくなくなったんだろう。


だけど、どう言えば良かった?

今まで気付かずにいたから、お前が嫌いでバカにしてきたけど、
やっぱり好きだ、とでも?


そう。
自分勝手なのは分かってる。
好きだと言える資格がない事も。


だけど……仕方ないだろ。
どうしようも、ないんだから。




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