意地悪同期にさらわれました!
……黒木の事を全部、話さないと、また帰るとか言い出しかねないな…。
―――「…黒木が、下にいる。
つけてきてる」
言いたくはなかったが、致し方ない…。
彼女の目が驚きと恐怖で見開かれる。
「大丈夫だ。
俺がいる。お前を守る。」
うるうるとその目に涙が溜まりだす。
そっと彼女を抱き寄せるとその身体が小刻みに震え出す。
「…守るから。絶対に」
野田の手が俺の身体を抱き締め返してくる。
……絶対、守るから。
怖がるな。俺が…いるから。
しかし…俺の暴言を、真に受けているとは。
ド級のアホだな。
…そんな事、本気で思う訳ないだろ。
「俺は…お前を、動物だなんて…思ってない」
「…え」
野田が顔を上げた。
「まあ、少し……凶暴かな、とは、思ってはいるが…」
「は…」