意地悪同期にさらわれました!

「…あ…えっと……」

野田の俺へのチラ見の回数が増える。
もはや首の向きは山岸の方ではなく、俺の方を向いている。

………ああ、もう!!
面倒臭ぇな!!



「……野田は、今日は接待だから無理だよ」

俺は山岸に向かって言った。

「え」

野田の顔がパッと明るくなる。

…くそ。何で俺が。


「…野田さん、そうなんですか?」


山岸が俺と野田の顔を疑うように交互に見る。


「え?あ…、うん!!そうよ!!
そうだったわ。忘れてた。
赤崎くん、言ってくれてありがとう…っ」


……うわ。
コイツ、致命的に嘘が下手だ。




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