意地悪同期にさらわれました!

私は反撃を受けないうちにスッと立ち上がるとそそくさと部屋を出た。

「待て!!ゴリ子!!逃げる気かぁぁ!!」

背後からの怒声に振り返る事もなく歩き去る。

…いい気味だわ。

あんなヤツ、少しは痛い思いをして反省したらいいのよ。

いつも人をバカにして。
何がゴリ子よ。

アホ崎め。



先日課長に他社とのプレゼン企画の原案を提出するように言われた我々課員一同はチャンスとばかりにこぞって自分の企画を持ち込んでいた。

課長に提出したばかりの私の案を横目で見た彼が言った一言。
手に取って見ていた課長は一瞬にして渋い表情になった。


――「やたらと派手に色を採り入れるのはどうかと思いますけれど。

年数と共に褪せていくと、高級感が失われます。

ある程度は統一した方がいいかと俺は思いますけどね」




―――赤崎東吾。
私の天敵。
彼とは入社して以来、何かにつけては常に戦ってきた。

だけど……私は、彼に未だかつて勝てた事がない。

今回の案は、絶対の自信があったのに……!

ヤツのせいでまたしても振り出しだわ。

本当に、嫌なヤツ!!









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