意地悪同期にさらわれました!

―――「……東吾…、私よりも…、長井さんが大事なの……?」

庶務課の長井千香子に散々、気持ちを喋らせた後でそろりと近付いて来た野田の顔を見る。

………!

瞳がウルウルと輝いている。

な、…何で!?

「…東吾…、はっきり、言って?
私と…長井さん、…どちらが…好きなの?」

え?…え?

ち、ちょっと…待ってくれよ。
何キャラで来てるんだよ?

泣くのは…反則だろ。


俺はゴクリと唾を飲み込んでから平静を装いながら答えた。

女が一番喜ぶ感じの笑顔を作って野田をしっとりと見つめながら。


「……もちろん、…秋穂だよ。
秋穂が……好きだ」






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