意地悪同期にさらわれました!

――「さてと。そろそろ行くかあ」

「うん。あ、待ってお財布…」

野田は鞄の中をごそごそと漁っている。

「ばあか。女に本気で奢らせるかよ。
いいから。伝票貸してみ」

俺が手を差し出すと、その手を野田はパチンとはたいた。

「いて」

「格好つけないでよ。
約束は守るわよ。例え相手が最低男でもね」

「……誰が、最低男だって?

全く、これだから可愛くないってんだよ。
ゴリ子が」

……あっ。しまった。



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