意地悪同期にさらわれました!
――――「赤崎、は…話が…
あるんだけど…」
帰り支度をしている俺に、おずおずと野田があれ以来初めて口を聞いてきた。
「…話?……俺はないよ」
「あの、すぐ終わるから」
すぐ……終わる…?
「俺、急ぐから」
一言告げて、目も合わせずに立ち去った。
すぐに終わる話だと?
黒木とは三十分近く話し込んでいたくせに。
…エレベーターのボタンを押す手を止めて、ふと考える。
何故俺は怒っているんだろう。