意地悪同期にさらわれました!
ふと横を見ると、電話しながらキョロキョロしている彼の姿が目に入る。
長めの髪が乱れてサラサラと揺れている。
軽く息を乱して、焦ったように私を探してる。
アホだけど…、ムカつく嫌なヤツだけど…
………優しい赤崎が、すぐ側にいる。
私はそのまま、その場から飛び出して堪らず彼に飛び付いた。
「うわぁぁ!!」
赤崎は驚いた顔で私を受け止める。
「なっ!!こら!!ビックリすんだろうが!!」
ぎゃあぎゃあと喚く彼を無視して、その身体にギュウッとしがみつく。
「聞いてんのか!!危ねぇだろ!!」
「………」
私が黙っていると、フゥと軽く息を吐いてから、赤崎の腕が私の背中を包んできた。
……安心する。
守られているような気持ちになる…。