未来に向かって僕たちは【短編】
3.紙飛行機
中間試験が終わり、息つく間もなく来週には体育祭がある。

二学期は次から次へとイベントが目白押しで、慌しく毎日が過ぎていく。


放課後、体育委員の集まりから解放されて教室に戻ると、藤原が頬杖をついてぼんやりと窓の外を眺めていた。


「こんな遅くまで何してんの?」

俺が声をかけると藤原がゆっくりと振り向いた。

逆光で藤原の表情はわからないけど、一瞬、泣いているのかと思ってドキッとした。


「別に、何も。ぼーっとしてただけ。――あ、紙飛行機飛ばそうと思ってたの。ほら、これ」

藤原は机の上の紙飛行機を指差した。
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