未来に向かって僕たちは【短編】
7.同情
ジャンケンに負けた俺は、瀬尾と自分の昼メシを購買で買い込むと屋上に向かった。


重い鉄の防火扉を少し開くと、白く細い隙間から、瀬尾と藤原がフェンスにもたれて話している姿が見えた。


いつの間に藤原のこと誘ったんだ、あいつ―…。

メシ足りるかな、とちょっと気にしながら、二人に声をかけようとしたとき――。


「――じゃあ、智史と付き合ってるわけじゃないんだ?」

へ、俺の話?

俺は思わず扉の裏に隠れて耳をそばだてた。


「うん。お父さんのお見舞いとか、森本には本当に色々と助けてもらってて……。すごく感謝してる」

「ふーん。何かそのうちまとまっちゃいそうな感じだね」


何さらっと言ってんだよ、そんなんじゃねえよ。

瀬尾のアホ!
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