未来に向かって僕たちは【短編】
試験最終日の昨日、帰りに寄ったファストフードの店で、

「藤原に会ってちゃんと話しろよ」

と、瀬尾が珍しく真剣な顔で言ってきた。


俺が何も言わずに黙々と食っていると、

「あの日のことは俺も責任感じてる。軽々しく聞いていいことじゃなかった。ごめん。

だけど、智史も自分の気持ちを理解してもらいたいと思うなら、ちゃんと言葉にしないとダメだよ。

今のままじゃ、お前が想ってることのほんの一ミリも藤原に伝わらないんだから」

と、更にダメ押しされた。


瀬尾はすげーバカだけど、頭でっかちで、知らないうちに身動きが取れなくなってる俺に、いつも大事なひとことをくれる。


俺が唯一、コイツを尊敬してる部分。

あくまで唯一だけど。

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