未来に向かって僕たちは【短編】
8.赤い花束
俺が悶々と悩んでいる間に、世間はクリスマスムード一色に様変わりしていた。
どこにいてもご機嫌なクリスマスソングを耳にする。
駅前の花屋も例外ではなく、ポインセチアやクリスマスリースなんかが所狭しと並べられていた。
見舞いに何か持って行ったことなんてなかったけど、今日に限っては手ぶらなのが心許なくて、
花屋の店員に勧められるまま、クリスマスっぽい小さくて赤い花束を買った。
病室に近づくにつれ、どんどん心臓の音が大きくなる。
俺は花束を脇に抱え、手のひらの汗をジーンズで拭いた後、病室の扉をノックした。
中からの反応はない。
もう一度ノックしてみたけど、やはり反応はない。
ネームプレートで病室を間違えていないことを確認し、スライド式の扉をゆっくりと開いた。
どこにいてもご機嫌なクリスマスソングを耳にする。
駅前の花屋も例外ではなく、ポインセチアやクリスマスリースなんかが所狭しと並べられていた。
見舞いに何か持って行ったことなんてなかったけど、今日に限っては手ぶらなのが心許なくて、
花屋の店員に勧められるまま、クリスマスっぽい小さくて赤い花束を買った。
病室に近づくにつれ、どんどん心臓の音が大きくなる。
俺は花束を脇に抱え、手のひらの汗をジーンズで拭いた後、病室の扉をノックした。
中からの反応はない。
もう一度ノックしてみたけど、やはり反応はない。
ネームプレートで病室を間違えていないことを確認し、スライド式の扉をゆっくりと開いた。