未来に向かって僕たちは【短編】
9.再び職員室前
今日は二学期の終業式だ。

藤原は来ていない。


明日から冬休みという開放感からか、それともクリスマスイブだからか?

いや、きっと両方なんだろう。

教室のどこを見渡しても、皆、ふわふわと浮かれていた。


例に漏れず、瀬尾も彼女とデートらしく、嬉しそうにこの後のプランを詳細に教えてくれる。

別に頼んでないし興味もないけど、楽しそうなので放っておく。


職員室前の掲示板には、期末試験の上位五十名の名前と合計得点が張り出されていた。

彼女なんていない俺にとっては、クリスマスよりもこっちの方が大きなイベントだ。


全く試験に手ごたえを感じなかったので、順位は全く期待してないけど。

案の定、俺は前回の一位から二十七位まで大きく順位を落とした。


……まあ今回は仕方ない。

勉強よりももっと大切に思うことで悩んでいたのだから。

試験は次、頑張ればいい。
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