ハートのピアス
―わりぃ。サークルのヤツから緊急の呼び出し。もう遅いしこのまま行くわ。

彼は大学4年で4月からの就職も決まっている。
この時期、何かと彼の所属するバスケットサークルでは卒業に向け、飲みだったり、練習だったり、試合だったり、集まりが多い。

「えー・またぁ？？」
最近特に多いから私も不満を口調にこめる。

―まじゴメン！夜電話するから！

最近こういう事が多いかも。

「わかったわよ。ちゃんと電話してね。」

その日の帰り、不満の中で彼のピアスの話を考える。

うーん。正直自分はピアスしてるし、昔は何連もしてたんだよなぁ。
でも。でも。なんかやだ。なんで？なんでしたいの？？？
しかも最近夜、急な呼び出し多いし。
…なんか変なバイトしてるのかなぁ。

不満が不安に変わり、電話で話しをしてても気になって仕方ない。

「よし！次会った時に聞こう！ピアスもやだって言おう！」
超自分勝手でわがままだけど。

そう思ったのに…次のデートは1周年記念じゃん…！？
あぁ。微妙。どうしよう。

そう思ってたら、もう明日。
もしかしたら最悪の結末…。やだやだやだ。
文句はいっぱいあっても好きだもん。けどこのままも嫌だしなぁ。


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