ハートのピアス
素直なキモチ
嬉しかった。
恥ずかしかった。
自分のバカさ加減と彼の純粋な気持ちに涙が止まらなかった。
「あ、あたし、ご、ごめんなさい…」
彼の一番の笑顔のお返しにきっと今までで一番ブサイクな顔で言った。
涙でメイクもグシャグシャだよね。
「夜どっか言っちゃうし…ピアスとか嫌だとか…」
自分でも何言ってるかわかんない。
―ははは。そっか。ごめんな。
今までプレゼントもまともな物上げてねえから、かっこつけた
くて
日払いの工事現場の仕事してたんだけど、いつあるかわかんなくて電話で呼び出してもらってた。
―デート中とか悪かった。ごめん。
そう言って、彼は優しくギュッとした。
―あとピアスはさぁ。現場のヤツらみんなピアスしててさぁ。
ちょっと憧れたけど、やっぱオレには穴開けるとか考えられないわ。
そもそもいてぇし。
「ごめん…ごめん…ごめん」
泣くしかなかった。信じられない自分を恨んだ。
「私何も用意してない…よ」
まったく最悪な女だと自分でも思う。