理不尽な女神さま
―――――♪~
どこからか聞こえてくるメロディ。
音のする方へ、声のする方へ。
俺は導かれるように進んだ。
今日は門崎に調べてもらったあの女を捜しに来たのに、
そんなことも忘れていた。
そして俺は人が集まっているのを見つけた。
どうやらあそこが声の主がいる場所のようだ。
そして聴けば、ずいぶん流暢に英語の歌を歌っている。
私には何かあるのだろうか
強さ、得意なこと、生き甲斐・・・
きっと何もないだろう
でもそれでも
私にはまだ何かあると信じたい
君を傷つけないように護れる強さや
君を楽しませるように得意なこと。
そして君と共に生きるための生き甲斐を、
私は何か持っていたいと思うのです
それを神は許すでしょうか
それを民は笑うでしょうか
でもそれでも
私にはまだ何かあると信じていたいのです
「・・・」
俺は気になった。
声の主が。
俺は人ごみをかきわけて声のする方へいく。
すると知った顔があった。
ギターを持った女。
それは俺の知る『あの女』であった。