理不尽な女神さま




―――――♪~


どこからか聞こえてくるメロディ。

音のする方へ、声のする方へ。

俺は導かれるように進んだ。

今日は門崎に調べてもらったあの女を捜しに来たのに、
そんなことも忘れていた。

そして俺は人が集まっているのを見つけた。

どうやらあそこが声の主がいる場所のようだ。

そして聴けば、ずいぶん流暢に英語の歌を歌っている。



私には何かあるのだろうか
強さ、得意なこと、生き甲斐・・・
きっと何もないだろう
でもそれでも
私にはまだ何かあると信じたい
君を傷つけないように護れる強さや
君を楽しませるように得意なこと。
そして君と共に生きるための生き甲斐を、
私は何か持っていたいと思うのです
それを神は許すでしょうか
それを民は笑うでしょうか
でもそれでも
私にはまだ何かあると信じていたいのです


「・・・」


俺は気になった。

声の主が。

俺は人ごみをかきわけて声のする方へいく。

すると知った顔があった。

ギターを持った女。

それは俺の知る『あの女』であった。




< 11 / 16 >

この作品をシェア

pagetop