理不尽な女神さま
「で、なんで新堂さんは居るんですか。
・・・それに、なんでついてきてるんですか。」
「お前の質問に答える義理はない」
何なんだ、この男は。
あたしはライブを終え、
歩いてライブハウスに向かう途中なのにあれからずっと付いてくるこの人。
しかも自分は質問に答えさせるくせに、こっちが聞けばこれの一点張り。
極めて横暴。
「お前は今からどこへ行くんだ?」
「ライブハウスです。」
「ライブハウス?・・・なんだそれは」
「えっ?ライブハウスも知らないんですか?」
「じゃあお前はガラクタを何と漢字で書くか知っているか?」
「・・・いいえ」
「ほらみろ。」
何の話をしてるんだ。
だいたいライブハウスとガラクタの違いはかなり大きいはずなのに。
なんであたしは馬鹿にされてるんだ?
「行ってみれば分かりますよ」
「・・・だから、俺に分かるように言葉で説明しろ」
「ライブをするところです!」
「ライブ?・・・なんの?」
「主にロックバンドです。」
「主に・・・というと?」
あたしはしばらく沈黙を置いた。
なんて説明していいのかわからない。
「あ゙ぁ゙ー、もう!音に説明なんてできません!
聞いてください!あたしも歌いますから!」
「・・・なんだ、お前も歌うのか」
「路上とはかなり違いますから、期待しててください」
「・・・言ったな?期待を裏切るなよ?」
「あっ・・・」
やっちまった。
これ、完全に自爆ってやつだ。