優しい手①~戦国:石田三成~【完】
桃の我が儘は心地よく、秀吉と茶々あと1日だけ滞在を伸ばすことに決めて桃を喜ばせた。
「あのね、茶々さんと仙桃院さんに話したいことがあるの。謙信さん、三成さん、ちょっとだけ違う部屋に行っててもいい?」
「いいよ。じゃあ私たちは和睦を祝って酒でも…」
「絶対駄目!三成さん、秀吉さん、謙信さんがお酒飲まないように見張っててね!」
「わははは!あいわかった、儂に任せておけい!」
頬を膨らませる謙信に“めっ”と言って茶々と手を繋ぎながら部屋を出ると、常に傍に居る幸村が仙桃院を呼びに走ってくれた。
「桃姫…お話とは一体?」
「うん…仙桃院さんが来たら話すね。とっても言いにくいんだけど…」
表情を曇らせた桃を気遣いながら少し離れた部屋へ移動してお茶を啜っていると、尼の格好をした仙桃院がやって来た。
謙信にそっくりの顔は穏やかそのもので、桃は2人の間に挟まると、2人の手をぎゅっと握った。
「桃姫?」
「あの…私……妊娠してなかったの!ごめんなさい!」
突然土下座するかのように深く頭を下げた桃に驚いた2人は顔を見合わせると、その言葉の意味を噛み締めた。
「ということは…月のものが来たのですか?」
「うん。織田信長が倒されて、謙信さんたちと1度本陣を置いたお寺に戻った時…その…始まっちゃって…」
「そう、ですか…。謙信たちはさぞ落ち込んだことでしょうね」
「ううん、笑って許してくれたの。私…赤ちゃんができてるかもしれないことが嬉しかったの。でも赤ちゃんができてなくてもここに残ったと思うの。私って…優柔不断だよね」
「ふふふ、素敵な殿方2人に愛されているのですから女子であれば誰もが悩みますよ。正式に謙信公の口から発表されるまでは秘密にしておきましょうね」
茶々が優しく頭を撫でてくれて、嬉しくなった桃は今後の展望を2人に明かした。
「ここに残ると決めたからにはやりたいことが沢山あるの。下着も作りたいし、マニキュアだってしたいし、この時代でも女の子を目一杯楽しめるようにしなきゃ」
「したぎ?まにきゅあ??」
きょとんとする仙桃院と茶々に笑みを返した桃は、完全に壊れてしまった歴史に反省しつつも精一杯楽しんで生きようと決めた。
ここに残ったことに後悔はない。
意義のある人生を歩もうと決めた。
「あのね、茶々さんと仙桃院さんに話したいことがあるの。謙信さん、三成さん、ちょっとだけ違う部屋に行っててもいい?」
「いいよ。じゃあ私たちは和睦を祝って酒でも…」
「絶対駄目!三成さん、秀吉さん、謙信さんがお酒飲まないように見張っててね!」
「わははは!あいわかった、儂に任せておけい!」
頬を膨らませる謙信に“めっ”と言って茶々と手を繋ぎながら部屋を出ると、常に傍に居る幸村が仙桃院を呼びに走ってくれた。
「桃姫…お話とは一体?」
「うん…仙桃院さんが来たら話すね。とっても言いにくいんだけど…」
表情を曇らせた桃を気遣いながら少し離れた部屋へ移動してお茶を啜っていると、尼の格好をした仙桃院がやって来た。
謙信にそっくりの顔は穏やかそのもので、桃は2人の間に挟まると、2人の手をぎゅっと握った。
「桃姫?」
「あの…私……妊娠してなかったの!ごめんなさい!」
突然土下座するかのように深く頭を下げた桃に驚いた2人は顔を見合わせると、その言葉の意味を噛み締めた。
「ということは…月のものが来たのですか?」
「うん。織田信長が倒されて、謙信さんたちと1度本陣を置いたお寺に戻った時…その…始まっちゃって…」
「そう、ですか…。謙信たちはさぞ落ち込んだことでしょうね」
「ううん、笑って許してくれたの。私…赤ちゃんができてるかもしれないことが嬉しかったの。でも赤ちゃんができてなくてもここに残ったと思うの。私って…優柔不断だよね」
「ふふふ、素敵な殿方2人に愛されているのですから女子であれば誰もが悩みますよ。正式に謙信公の口から発表されるまでは秘密にしておきましょうね」
茶々が優しく頭を撫でてくれて、嬉しくなった桃は今後の展望を2人に明かした。
「ここに残ると決めたからにはやりたいことが沢山あるの。下着も作りたいし、マニキュアだってしたいし、この時代でも女の子を目一杯楽しめるようにしなきゃ」
「したぎ?まにきゅあ??」
きょとんとする仙桃院と茶々に笑みを返した桃は、完全に壊れてしまった歴史に反省しつつも精一杯楽しんで生きようと決めた。
ここに残ったことに後悔はない。
意義のある人生を歩もうと決めた。