優しい手①~戦国:石田三成~【完】
裾から手が入ってきては太ももを撫でてくる三成の手はやはり優しく、
部屋に響く自分の声とキスをする度に奏でられる唇の音が恥ずかしくて、すっかりはだけてしまった浴衣の胸元を掻き抱いた。
「駄目…駄目だったら…!」
「何故駄目だ?俺の本気がわからぬのか?」
暗闇でもはっきりとわかるほどに凛とした表情で見つめてくる三成に、接近してくる唇からからくも逃れなたら正論を振りかざす。
「だってここにはずっと居られないもん!三成さんだって結婚して…子供ができて…」
――どんどん声が小さくなっていってしまうのは、もう三成のことをかなり好きになってしまっているからだ。
…謙信には確かに魅力を感じる。
けれど、三成には…もっともっと魅力を感じてしまっている。
「…俺はそなた以外の女子を妻にするつもりはない。誰に操を立てている?…元の時代に好きな男でも居るのか?」
「…居ないけど…私がここにずっと居ると私が歴史を狂わせちゃうの。三成さんのこと好きになちゃったら…大変なことになるんだよ!」
それでも太ももを撫でる手は止まらず、むしろ上がってくる動きを見せているその手を桃は全力で抑えつける。
「どこがどう違っていて、どうなのか…しかと話をしたことがなかったな。だが…そなたが何と言おうと、俺はそなたを抱きたい」
突然上半身をはだけさせた三成を桃は心臓が止まる思いで凝視する。
視線を逸らすことができないのは、三成が異常にセクシーだからだ。
数々の戦によって鍛え上げられた鋼のような身体…
けれど手は美しく優しく、幸村のような武骨さを感じさせずに、さらに自らの帯に手をかけては再び迫ってくる三成をどうすることもできずに、
ただぽろぽろと涙が…零れた。
「…桃…」
「…ごめんなさい…私…私…」
「…すまぬ、また気が急いた。全て…謙信のせいだな。俺は本来性急な性質ではない故、許してほしい」
――桃の白い裸体を見てしまった以上は、ひとつの布団に寝ることは憚られ、もうひとつの布団を指差して三成は居住まいを正すと、
「今宵は俺とは寝ない方がいい。頼む、そうしてくれ」
大好きになりかけていた。
部屋に響く自分の声とキスをする度に奏でられる唇の音が恥ずかしくて、すっかりはだけてしまった浴衣の胸元を掻き抱いた。
「駄目…駄目だったら…!」
「何故駄目だ?俺の本気がわからぬのか?」
暗闇でもはっきりとわかるほどに凛とした表情で見つめてくる三成に、接近してくる唇からからくも逃れなたら正論を振りかざす。
「だってここにはずっと居られないもん!三成さんだって結婚して…子供ができて…」
――どんどん声が小さくなっていってしまうのは、もう三成のことをかなり好きになってしまっているからだ。
…謙信には確かに魅力を感じる。
けれど、三成には…もっともっと魅力を感じてしまっている。
「…俺はそなた以外の女子を妻にするつもりはない。誰に操を立てている?…元の時代に好きな男でも居るのか?」
「…居ないけど…私がここにずっと居ると私が歴史を狂わせちゃうの。三成さんのこと好きになちゃったら…大変なことになるんだよ!」
それでも太ももを撫でる手は止まらず、むしろ上がってくる動きを見せているその手を桃は全力で抑えつける。
「どこがどう違っていて、どうなのか…しかと話をしたことがなかったな。だが…そなたが何と言おうと、俺はそなたを抱きたい」
突然上半身をはだけさせた三成を桃は心臓が止まる思いで凝視する。
視線を逸らすことができないのは、三成が異常にセクシーだからだ。
数々の戦によって鍛え上げられた鋼のような身体…
けれど手は美しく優しく、幸村のような武骨さを感じさせずに、さらに自らの帯に手をかけては再び迫ってくる三成をどうすることもできずに、
ただぽろぽろと涙が…零れた。
「…桃…」
「…ごめんなさい…私…私…」
「…すまぬ、また気が急いた。全て…謙信のせいだな。俺は本来性急な性質ではない故、許してほしい」
――桃の白い裸体を見てしまった以上は、ひとつの布団に寝ることは憚られ、もうひとつの布団を指差して三成は居住まいを正すと、
「今宵は俺とは寝ない方がいい。頼む、そうしてくれ」
大好きになりかけていた。