光の魔法を君に 【番外編】
銀と水を溶かしたような髪色に金と銀を交ぜたような瞳。
母と父を足して割ったような容姿をしているのだ。
そのためか、2人の“ちから”もそのまま受け継いだ。闇と光の“ちから”を。
だからバランスがとりにくい。
いや、普通に使うのには申し分ないくらいの魔力なのだけれど、自らの属性の魔法を使った方が消費は少ないのだけれど相反する力は逆に扱いづらい。
でも、2つの力があるというのは便利だ。
ほら、こうやって、追ってくるアイツに。
「―――白夜の舞、光千百華。」
2つの技を当てることが出来るのだから。
「くっ!!おいっ!待てっ!!」
――――空羽!!
アイツが私の名を口にした瞬間、キュッと胸が縮むけど。
その行為の意味や気持ちにつける名前も知っているけど。
自覚もしているけど。
――――今だけは、会いたくないの。
だから、私は城を抜け出す。
勿論、家出するわけだけれど母様にも父様にも兄様にも姉様にも言って了承を得ている。
悔しいことに笑って、ふたつ返事で。だけれど。
みんな、私の想いをしっているからこそなの。
わかってる、帰ったらちゃんとするわ。
だから、今だけは自由に翔ばせて。