光の魔法を君に 【番外編】
私は自分に少しだけ、劣等感を持っている。
母様と父様の子供に生まれたこと。それは私が何時も抱いている誇り。それを、貶され、罵られ、ペシャンコにされたのだ。
―――好きな人に。
私は兄姉のように美しい、と言うわけではなくどちらかと言えば愛らしい。という言葉が当てはまるのだ。
幾ら年月を重ねようとも大人びた兄姉のようにはなれない。
すでに美しい、と騒がれていた年齢に達して、追い越しても、私は美しいではなく、愛らしいという言葉が付きまとう。
確かに、これ以上望むのは贅沢だと思う。けど、おなじ、きょうだいなのに。
少しだけ、コンプレックスに思っていた気持ちを馬鹿にされたように、その気持ちを持つことすら馬鹿だ。と言われたのだ。
わかっていた、わかっていたのだ。
雛は何時までたっても優雅に踊る白鳥のようにはなれない。
雛は何時までたっても雛、なのだと。
そして、16歳というあと1年で成人の儀を果たす。という日に求婚され、側にいたあいつにかつてないほど馬鹿にされたのだ。
―――お前みたいな奴に惚れ込むなんてな。
冷笑とともに浴びせられた言葉。