光の魔法を君に 【番外編】
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「―――っくそ!空羽はどこにいったんだ!」
数時間前までは、笑っていた愛しい女が城を飛び出した。背には荷物を持って。
あれは、絶対計画的犯行だ。
兄さんに話したらかつてないほど笑われて、哀れみの目を向けられた。
和泉に話したら溜め息を吐かれてにっこりと死ね、と言われた。
あぁ、あいつは空羽を狂ってるくらい溺愛してたからな。
と、郁や慧、藍乃や秦太、彼方に翠………そりゃあ、空羽を妹と思ってる奴らに散々言われた。
“お前のせいで出ていったんだ馬鹿野郎っ!”
確かに、俺のせいかもしれない。とは思ったが俺が何した?
でも、まだ一番の難所が来ていない。まさか連絡がいってない?
いや、そんなはずはない。
あの人たちは独自の情報網を持っている。空羽が城を抜け出したことを既に知っているはずだ。
なのに、何故、お咎めがない。
それに、城の回りには結界がはってある。夢羽様と空様が造り上げた強力な結界が。
空羽なら、破れるかもしれない。が、時間をかければの話だ。この世界一の魔女と魔法使いであるお二人が造り上げた魔法をまだ発展途上の娘が数分間で破れるはすがない。だとしたら――――