光の魔法を君に 【番外編】


蒼様はそう、ふわりと笑って。


「良かったよ。」

――――えぇ、ほんとにね。

「………?」


ふわりと笑って優しい目で俺を見ている蒼様のように低く柔らかな声色ではなく凛とした声色、夢羽様よりも少しだけ鋭く律する。


「……凛様?」


姿は見えないのに、あの方の声が聞こえて辺りを見回す。


クスクス、と笑う声が聞こえてすぐ後ろに気配を感じた。


「!!」

「まだまだね、篤。」


凛様が俺の後ろに姿を現す。
夢羽様の様に柔らかな笑顔を浮かべているのに、その手に持つモノはなんでしょう?
そして、何故俺の首に当てているのでしょう。


「ふふっ、篤。そんなんじゃ、生きていけないわよ。」


天使のような笑みを浮かべながら物騒なことを平気で口にする。
第二継承者である王女、凛様。


冷たく光る鋭利なそれを角度を変えたりしながら俺の首にあてる。

「篤、そんなんで空羽を守れるとでも?」


だんだん、凛様の笑みが悪魔の笑いに見えてきた。
あぁ、俺に味方はいないのか。


「………でも、想いは伝わったわ。」


スッと短剣をおろす。
途端に体が軽くなった。


「―――篤、」


不意に呼ばれて蒼様や凛様に視線を合わせる。
お二方は何とも言えない笑みを浮かべながら、俺に言った。





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