光の魔法を君に 【番外編】
でも、別に殺したわけではない。だから遠く私でも何処かわからないとこに飛ばした。
少しだけ、罪悪感に苛まれて。
ペタリ、と座り込んでしまった。
「―――見つけた。」
後ろから声がかけられた、振り返らなくてもわかる。
一瞬で風を纏い、さっきよりも速く走る。
「――おいっ!こらっ!とまれっ!!」
待つわけないし、止まるわけない。
けど、逃げるなら、迎え撃つのが私、なんだ。
ギュッとスピードを殺して、止まる。振り返り、追いかけてくるあのひとに。
「光夜雹音」
ありったけ、をこめて放つ。
金銀と黒が音となり雹を響かせる。攻撃、魔法。致命傷くらいは与えられる。
「ぅおっ!!!!」
情けない叫び声をあげて、煙に蒔かれる。
っしゃあ、ヒッツ!!
この隙に―――。
「阿呆っ!」
逆に、仕掛けられた。
黒、が飛んでくる。と思ったら頭の横を通って、後ろにある何かにあたった。
「ぐわっ!!」
あら、刺客がいたのね―――
なんて、思う暇なく振り上げられた剣。
私は咄嗟に“月白”を呼び出す。
―――キィン、
金属がまじりあう音を聞いた瞬間に剣を力点として私は回しげりをかます。
ぶっ飛ぶ、男。