光の魔法を君に 【番外編】
角度をかえて、何度も。
なんで、なんで……?
「……、………やっ」
身体中の力が抜けていくのに、倒れないのは篤が私を支えているから。
嫌だ、と思うのに嫌じゃなくて。抗えない自分がいる。
寧ろ、嬉しい――と思ってしまう。
やっと、離れたと思ったら衝撃的な言葉が降ってくる。
「―――空羽、好きだ。お前が、一番大切なんだ。
だから―――」
次の言葉に私は目を見開き、涙を流す。
「ふぅっ………っんぅ……っく」
「………空羽、」
篤が私の名を呼んで自ら、抱きつく。
だって、だって、
「………っ、篤は、ずっと、私のこと、好き、じゃないと、思ってた。」
「………」
篤は何も言わない。
ただ、黙って私を軽く抱き締める。私はそれがもどかしくて、腕に力を込める。
「私、………篤が、すき。ずっと、昔から。篤だけが………すき、だったの。…………篤、いがい。ほしくないの………」
昔から忙しかった父様と母様。
しょうがないってわかってた。
姉様や兄様も幼い頃からしっかりと務めを果たしていたから私は独りだった。
そんなとき、傍にいてくれたのは、篤だけ。