光の魔法を君に 【番外編】
「―――篤がいなきゃ、生きてけないわ。だから、傍にいて。離さないで。
愛してる、から。ずっと、ずっと、篤だけを愛すから。」
―――だから、
続きを言おうとした唇は篤のそれで塞がれる。
さっきよりも長く、長く。
離れた、と思ったら満面の笑みを私に向けて。
「――空羽、愛してる。世界中の誰よりも何よりも、お前が一番大切だ。」
「………嬉しい、」
涙がにじんで、返した言葉も鼻声。でも、伝わったと思う。
抱き締める力が強くなって、自分で立たなくても良いくらいになっちゃって、首に回していた手に力を込める。
「もう、離さない。」
耳元で囁かれた甘い言葉。
くすぐったくて、恥ずかしくて、篤の首もとに頭を乗っける。
「………離さないでね、」
小さな小さな声で返した応えに篤は笑って私を抱き締めた。
fin