隼 ASPHODEL-5編
会議室に隼の主力メンバーが集まっている。
リーダーの沙耶、ドクターの名前で通ってる柿崎、守、はするの4名だ。

「じゃあ、整理した現状データを」

沙耶がドクターに促す。

「はい、ASPHODEL-5は第5期まであります。初期症状はだるく、風邪に似ています。2.3ヶ月の潜伏期間です。医師も風邪と誤診してます。
第2期になるとその「症状」は消えるため、「風邪」が治ったとされてしまいます。
第3期は脳が活性化します。瞳が赤く変化し、頭痛、発熱、吐血します。
第4期はニューロンが自殺を始めます。第3期の3~6ヵ月後です。セロトニンが不足して暴力的になる場合もあります。脳は萎縮をはじめ、記憶が混乱します。
第5期に…これがどのタイミングかが分かってませんが突然死します。
以上です」

沙耶はシャーペンを器用に回しながら聞いている。

「第3期までにbc12遺伝子に手を加えれば第4,5期の症状がなくなります。PHOENIX療法と名づけました。ただ、これを見極めて全員に遺伝子操作が出来ないという問題が残ってます」
と、はするが続いた。

沙耶はため息をついた。

「まだまだ未知ってわけね…これ以上広まらないといいんだけど。そもそもウチ以外はここまでの状況は分かってない。そして…問題は突発性なのに増えていくってことね」

「そうだな」

ドクターが人事のように言った。
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