偽恋愛上等ッ!!【短編】
その後、おなか減ったよねって話になって
たこ焼きと、カラアゲと、やきそばを買った。
それからジュース2本と、りんご飴。

あたしとコウジはそれを持って花火が見える場所をさがした。
今日やる花火は海岸線でやるやつで
海の上に花火が見える。

海にある堤防から花火があがるんだ。
でも暗くて打ち上げ場所は見えないし
海だから障害物は何もない。

だから海から花火があがるみたいに見える。

「ここでいいんじゃない!?」

コウジと来たのは、出店が集まる場所から少し離れた海岸。
出店がある所はたくさん人が居たけど
歩かないと来れない上に住宅街のこのあたりは人はほとんど居ない。

「ここ、穴場なんだ!
俺毎年ここに来るの!よく見えるんだよ」

「そうなんだ!」

あたしとコウジは、海岸の堤防に座って
二人でたこ焼きを食べながら花火があがるのを待った。
コウジが3つ、あたしが2つ食べた所で突然、

『ヒューーーー』

という音がした。

『ドン』

花火があがった。
黄色と緑の花火。
ヒマワリみたいだ。
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