偽恋愛上等ッ!!【短編】
「わぁーー!!」
次に赤い花火が上がった。
赤い光が消える前に、今度は青い花火が上がる。
「めっちゃ綺麗だなぁ!」
「うん!ほんとにここ穴場だねっ!」
花火は30分間で終わる。
そんなに大きいお祭りではないから短いんだ。
あたしたちは会話もしないで花火を見ていた。
でもそれは気まずい沈黙ではなくて、
屋台の声や人ごみのざわめきが遠くの方からかすかに聞こえるのが心地いい。
あたしは、
この花火をずっと見ていたいって思った。
しばらくしてコウジが言った。
「花火、あと10分くらいで終わるよ!」
もうそんなに時間経ったんだ。
寂しいな。
花火もっと見ていたいのに。
寂しそうな顔をしたあたしを見てコウジは
「玲、ちょっと立って!」
と言った。
あたしが立つと
コウジは座っていた堤防から砂浜におりた。
「海の方行こ!」
コウジははいていたジーパンをひざまでクルクルまくりあげた。
ここは夏場は海水浴場になっている海岸だから
砂浜が広くて海は浅い。
コウジはちょっと走って振り返り、
「早く早く!」
と言って笑った。
次に赤い花火が上がった。
赤い光が消える前に、今度は青い花火が上がる。
「めっちゃ綺麗だなぁ!」
「うん!ほんとにここ穴場だねっ!」
花火は30分間で終わる。
そんなに大きいお祭りではないから短いんだ。
あたしたちは会話もしないで花火を見ていた。
でもそれは気まずい沈黙ではなくて、
屋台の声や人ごみのざわめきが遠くの方からかすかに聞こえるのが心地いい。
あたしは、
この花火をずっと見ていたいって思った。
しばらくしてコウジが言った。
「花火、あと10分くらいで終わるよ!」
もうそんなに時間経ったんだ。
寂しいな。
花火もっと見ていたいのに。
寂しそうな顔をしたあたしを見てコウジは
「玲、ちょっと立って!」
と言った。
あたしが立つと
コウジは座っていた堤防から砂浜におりた。
「海の方行こ!」
コウジははいていたジーパンをひざまでクルクルまくりあげた。
ここは夏場は海水浴場になっている海岸だから
砂浜が広くて海は浅い。
コウジはちょっと走って振り返り、
「早く早く!」
と言って笑った。