偽恋愛上等ッ!!【短編】
そのあと最後にスターマインが打ち上がって、
海をきらきらさせて、
花火は終わった。


「帰ろっか!」

「うん」

あたしとコウジは海からあがって
駅にむかって歩き出した。

海から見た花火があまりに綺麗だったから、
何だかドキドキする。



駅について
「じゃあ、またね!」
とあたしが言うと

コウジは
「えっ、送るよ!」

と言って、一緒に電車に乗った。


あたしの家のそばの駅で一緒に降りて、
家の前まで送ってくれた。
いつもは自転車なんだけど、今日はゆかただから歩き。

まぁでも、家は駅から近いから
歩いて10分かからなかったけど。


「今日はありがとう!
俺、めちゃめちゃ楽しかった!」

「あたしも楽しかった!」


あたしがそう言うと、コウジは嬉しそうに笑って、
びゅんびゅん手をふりながら、
駅の方へ歩いていった。


‥‥‥何だかドキドキがおさまらない。
花火を見たのはずいぶん前なのに
あたしはまだドキドキしたまま

花火の感動がまだ冷めないから?
慣れないデートで緊張したから?


‥いや、何か違うかも。
そうじゃない。




ねぇ、
これじゃまるで‥‥


あたしコウジのこと、
好きみたいじゃんか‥‥!!

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