偽恋愛上等ッ!!【短編】
「あ、11居た!」
青の背番号11は、ちょうどグラウンドのど真ん中を走っているところだった。
コウジ意外と背高いんだなぁ。
近くで見たときはあんなに大きそうに見えなかったけど。
その時、
『戻れーーー!!!』
選手の誰かが叫んだ。
グラウンドの真ん中あたりで赤い選手が蹴ったボールが、
高く空に上がった。
ボールは真っ直ぐに青ゴールに向かって飛んでいく。
赤の得点のチャンス。
青の選手がボールを止めに入る。
あたしがしゃがんでいるのは青ゴールのすぐ横の木の陰。
選手が一気にこっちに向かって走ってくるのはちょっと怖い。
背番号『11』もこっちに来た。
コウジ脚速いなー!
頑張ってんじゃんッ!!
‥‥‥って。
え?
え!?
ちょっと待って!!!
どういう事!?