偽恋愛上等ッ!!【短編】
ちょっと待って!
ちょっと待って!!
頭がパニクってワケが分からない。
この高校は間違いなくコウジの学校だよね?
そしてコウジの背番号は『11』だよね?
そうでしょ!?
なのに何でこの知らない人が青の『11』なわけ!?
「どういうこと!?」
あたしはわけが分からないまま立ち上がって、
グラウンド全体を見てみた。
目はいいほうだから、必死に目をこらせば何とかなる。
コウジはどこにいるの!?
「‥‥あれかも!」
グラウンドの、あたしから見て右の端っこにいる選手。
距離があるから顔ははっきり見えないけどあれっぽい感じがする。
あたしは日陰から飛び出して、グラウンドの右側にまわった。