*short.short*


*It likes too much and can die.*



俺の彼女ってばチョー可愛いの。


今朝なんか寝ぼけてさ?俺の胸にグリグリおでこ擦り付けてきて。


朝っぱらから変な気持ちになっちゃってヤバかったよ。


あ。
そうそう。


この間リンゴの皮。
繋げたまま剥くんだって一時間近くもかけて、残り数センチの所で切れちゃって、泣きそうな顔してた。


スゲー不器用なの。


可笑しくて笑ったら拗ねちゃって、クッションに顔埋めて丸まってさ?
そのままクッションごと彼女を抱きしめながら、一時間かけて彼女が剥いたリンゴ。
綺麗に食べてあげたんだ。


あとね?
いつも同じ所、タンスの角で足の小指ぶつけんの。


俺の名前大声で叫んで悶絶。
何で俺の名前なんだ?って聞いたら、痛いって叫んだら余計に痛くなるんだって。


それと。
時々目、開けたまま寝るんだよ?


怖いよね?
ははは。


この前寝言で『前方後円墳…』って言ってた。


何の夢?
みたいな?


そんな彼女のひとつひとつのしぐさが愛しくてたまらない。



「こら。ぼーっとしない」



丸めた教科書で、おでこコツンてやられちゃった。


おっと。
今は大好きな彼女の授業中だった。


「もうすぐセンター試験なんだから、ぼんやりしてちゃダメでしょ?」


ぼんやりしてたんじゃないよ?
君の事考えてたんだ。


「はーい、ごめんなさい、センセ」

「気を引き締めて頑張ってね、頑張ればきっといい結果が出るから」


そう言ってノンフレームの眼鏡をクイッと押し上げ、俺だけに悪戯っぽく笑ってみせる君の事が好きすぎて死ねる。




*end*
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