*short.short*


*A holiday is rain.*




……あ。


やだ……、……雨?


せっかくの休日なのに。



久しぶりにドライブにでも行こうか。



って、約束してたのに。



ずっと仕事が忙しくて、最近何処にも行けなかったからって、すごく、楽しみにしてたのに……。



るるぶ見ながら、今なら紅葉が綺麗だねって。



早起きしてお弁当作ろうと思って、前の晩から下ごしらえしてたのになぁ……。



ベッドから身体を起こして、すぐ横にあるカーテンを少し開けて空を見上げると灰色の空。



一面の分厚い雨雲から降り注ぐ雨は今日1日、止みそうにないな……。



「……今…、何時?」



隣で眠っていた彼が眠そうに目を擦りながらそう聞いてきて。



「まだ早いよ、もう少し寝てていいよ?」

「……ん、お前も…、寝てろ」



そう言って私の腕を引くと、その腕の中に私を閉じ込めた。



私の髪に顔をうずめて再び眠りに落ちる彼。



規則正しい暖かい寝息が髪にかかると、私も次第に眠くなってきて。



彼の背中に手を回し、私も彼を閉じ込める。



せっかくの休日。



ドライブもお弁当も無しにして、一日中こうやってベッドの上で微睡んでるのも悪くないな。





*end*

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