親愛なる貴方様。
残ったのは夢のような出来事と愛しい人からの手紙だけ。
私は空に向かい大きく息をはいた。その白い吐息は上空に浮かんで雪へと変わる。
頬に落ちた今年の初雪は何故か暖かい。
『ありがとう、手紙屋さん。ありがとう、あっちゃん。私、頑張るね』
そう言って前へ歩き出した。
私、あっちゃんの分まで生きるから。
楽しい事も悲しい事も沢山経験して、いつか笑ってあっちゃんに会うの。
だから泣いてなんていられない。
クリスマスイブに現れたのはサンタクロースではなく、手紙屋さん。それはあっちゃんからのプレゼントだったのかもしれない。
不思議な不思議な手紙屋が届けてくれたのは、
大切な人の心。
だから、私の心もあっちゃんに届くはず。
-------------------そうでしょ?手紙屋さん。
【親愛なる貴方様。 END】