天神学園大新年会
だが後一歩の所で。

「おっと、勿体無いでやーんす」

落下寸前のローストビーフを、クモノスが蜘蛛糸の鞭でヒョイと絡め取り、己の口へと運んだ。

「んんんんん、肉も柔らかくて味付けも絶妙…これは美味でげす。後でレシピ教えてもらって、きゅーきにも食べさせてやるで…おや?」

モグモグと口を動かしていたクモノスは、傍らで蹲って咽び泣く二人の武人に気づく。

「む、無念…今一歩の所で…」

「肉なき宴会に何の楽しみがあろうか…殺せ!」

大袈裟に涙をこぼす茜と骸南。

あー…この可哀相な二人にローストビーフの追加注文を。

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