天神学園大新年会
あちちちち!と鍋の蓋を取る小さな幼い母親の姿を見ながら、こはくは微笑む。

学園と称してはいるが、天神学園は一つの『家族』なのだなと。

全員が、家族。

全員が兄であり、姉であり、弟や妹であり、父であり母であり祖父であり祖母である。

そんな家族の中に、こはくも入れてもらえている。

自分には翡翠しかいないと思っていたが、そうではないのだなぁと…。

「こはくさん」

骸南が、こはくの袖をチョイと摘まむ。

「私も鍋が食いたい。作ってくれんか?」

「そうだな。ローストビーフはしっかり堪能したし…既にこの席の鍋は苺愛とストロマが平らげてしまっている」

腕組みして茜も言う。

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