天神学園大新年会
天使のように愛らしく、悪魔のように残虐に。

悪戯に恋する二人を引き裂こうとするカップルクラッシャー。

そんなゆりに。

「ねぇ、ゆりちゃん」

宴は艶っぽく笑む。

「どうしてそんなに他人の恋路を引き裂きたがるの?もしかしてゆりちゃん…恋人同士が羨ましいのかしら…?」

「…………」

宴の言葉に、ゆりは冷淡な眼差しを向ける。

『何を言ってるの?この女』

そんな心の声が聞こえてきそうな、冷ややかな視線。

そんな視線をまともに浴びて尚、宴は怯まない。

「勿体無いわねぇ…他人にちょっかい出す暇があったら、自分の恋路に専念すればいいのに…」

そう言って。

宴はゆりの美しい黒髪を片手で梳いてやった。

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