天神学園大新年会
ゾクリ。

悪寒とは違う、えもいわれぬ感覚がゆりの背筋を走りぬける。

「アンタは自分を過小評価しているのねぇ、ゆりちゃん…自分の事、何の取り得もない凡庸な娘だと思っているんだろう?」

「過小評価?正当な評価だと思いますが」

動揺を億尾にも出さず、宴の手を払いのけようとするゆり。

しかし宴は、逆にその手を掴んで指を絡ませる。

「自分の事は案外客観的に見れないもんか…見るお人が見れば、アンタだって磨けば光る金剛石だっていうのにねぇ…」

宴の絡んだ指は、ゆりの手の甲、肘を滑るように這い上がり、二の腕へ…。

「っっっ…」

ゾクゾクと。

ゆりの肌が粟立つ。

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