天神学園大新年会
「単刀直入に言うよ?ゆり…」

宴の縦長の瞳孔…蛇の眼がゆりの瞳を見据える。

(しまった…!)

視線を交錯させてから気づいても最早遅く。

ゆりは、人外としての宴の術中に嵌まってしまっていた。

「ゆりぃ…」

口元を寄せ、ゆりの耳元で囁く。

「融様がさぁ…アンタの事を食べてしまいたいってさぁ…」

「~~~~~っっ…」

かぁあぁあっ…と。

ゆりの顔が紅潮する。

これまで破局させてきた恋人は数知れず。

泣き咽ぶカップルの姿を、陰でほくそ笑んで見ていた。

しかし意外にも。

ゆりは自分自身の恋愛に関しては極端に免疫がない。

男に言い寄られた事など、皆無だった。

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