天神学園大新年会
「あらあら…耳朶まで赤くなっちゃって…可愛らしいったらないさね…」

フゥッ、とゆりの耳元に息を吹きかける宴。

キュッと瞳を閉じ、ゆりは首を竦める。

「そういう初心な所が、融様の目に留まったのかもしれないねぇ…光栄に思いな?」

「わっ、私は…っ」

早鐘のように打つ心臓を押さえながら、ゆりはたどたどしく言葉を紡ぐ。

「おじゃる君になんて興味はっ…ありませんっ…」

「今はそうだろうさ…でも融様は見目良いだろう?アンタだって美丈夫だと思うだろう?あんないい男に言い寄られたら、悪い気はしないだろう?」

また囁くように。

「融様に身を任せて、蕩けるような言葉を聞かせてもらいたいだろう…?」

宴はゆりを翻弄した。

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